もう数年前の話。
当時は、今の所でお店をやっておらず、沼津市のもみほぐし店で雇われ店長をしていた時の話。
毎年この位の時期になると、なんとなく思い出してしまう。。。
その日の午前中、朝一から飛び込み依頼でのお客様が来られた。
ちょうど空きスペースまあったので快くご案内し、施術を開始。
施術前から気になってたんだが、お客様の顔色があまり良くない…
途中、咳が出てしまったりしてたので施術を一旦中断して白湯で喉を潤して貰った。
『今日はあまり体調が優れないですか?』
『う〜ん、、、実はちょっと病院帰りでねぇ』
『あらら、お風邪でも引かれましたか?』
『いや、インフルエンザだって言われちゃってさ〜』
『…えぇ⁉︎(´⊙ω⊙`)』
耳を疑った。
しかし、お客様は飄々と語る。
『それでさっき薬を貰ってきたんだよ。』
慌てた僕は、
『いやいやいや! そんなの、ちゃんと帰って寝てなきゃダメですって⁉︎(・・;)』
と、無理せず安静にしてもらう様、促したのだがお客様は残念ながら気にしない様子w
『いや、とりあえず体調悪くて身体が怠いんだよ〜。マッサージして筋肉ほぐしてよ。』
『お客様、申し訳ございません! インフルエンザは非常に感染力の強い風邪です。発熱時は無理に施術をして万一症状が悪化する可能性があります。 事態か悪い方向にいったとしても責任が負えません。 それに、こちらとしましても従業員や店内で同時期にお過ごしになる他のお客様などへの感染を考えるとこれ以上、お客様へのサービスは現時点で行う事が出来ません。』
なるべく、具体的に説明をしたつもりだった。
お客様自身の体調面、
従業員への健康管理面、
そして他のお客様への配慮。
嘘偽り無く、丁寧に簡潔に。
今考えれば、コチラの何かが誤解を生んだのかもしれない。
言葉を間違えた所があったのかも知れない。
お客様はかなり機嫌を害した様だった。
自分よりも他のお客様や店の従業員達を優先したと勘違いされたのかも知れない。
もしくは、体調が悪かった為に心身ともに余裕が無かったのかも知れない。
………そこを予測出来なかったと、自分も未熟だったと認めなければいけない。
しばらく、
『(マッサージを)やれ!』
『出来ません!』
の押し問答が続いた後、遂に『その時』がw
頭を叩かれましたw
スパーン!と、
それから身体を突き飛ばされ、かなり顔が近い距離まで来て、『客の言う事も聞けねーなら、辞めちまえよ! 向いてねーよ!お前!』
人間、怒る所まで怒ると冷めてしまうのだと思いました。
どうやら、僕はそのタイプの人間のようです、
言葉にするのも恥ずかしいくらいの言葉で、お客様を追い詰めてしまいました。
感染した時の責任、
あまりにも短絡的且つ視野の狭い浅はかな理解力、
恫喝で押し通せる相手かどうかの見極めの誤り、
きっと何処かに『常識』を置いてきてしまったのだろう。
悲しさと共に、軽蔑した事を素直に伝えました。
言葉で、でもかなりストレートな表現で。
お客様の立場でも、
従業員の立場でも、
『人としての常識』
は、皆平等です。
結局、諦めて帰ってもらった事でその場は片付きました。
今思えば、昔のお恥ずかしい未熟なお話。
毎年インフルエンザのニュースを見ると思い出してしまう少し苦い思い出でした。
後日談、
そのお客様は怒りのクレームを本社に送りつけたようです。
ですが、クレームを担当した人もあまりの非常識な内容だと判断したのか形だけの報告をし、報告を受けた本社も、当社としては貫くべき正しい姿勢だとお褒めをいただきました。逆にねw